ドクター;榊原直樹, DC, DACBSP®, CSCS
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腰痛

腰痛に悩まされた経験のない人はおそらくいないのではないでしょうか。一生の間に腰痛を経験する人は、10人中8人とも9人とも言われています(10人中10人でないのが不思議なくらいですが)。

腰痛に悩む人が10人いれば、10通りの症状や原因が存在すると言われるほどです。

ここでは急性腰痛と慢性腰痛に分類して説明してみます。


急性腰痛
いわゆる“ぎっくり腰”がこれに当てはまります。重たいものを床から持ち上げようとしたり、体をひねった瞬間にぎっくり腰になる方が多いようです。中には靴下をはこうとしたり、顔を洗おうと腰をかがめたときに痛めてしまう方もいます。

ぎっくり腰で比較的問題になりやすいのが、仙腸関節と呼ばれる骨盤にある関節の捻挫です。関節は筋肉や靭帯などの軟部組織により補強されていますが、仙腸関節には筋肉による補強がありません。

さらに仙腸関節はちょうど上半身と下半身を連結している部分に位置するため、運動学的に大きな負荷のかかりやすい関節となっています。

このように解剖学的、運動学的に仙腸関節はもともと痛めやすい関節なわけです。

慢性腰痛
慢性腰痛の原因は“同じ動作の反復”です。腰をかがめて長時間作業したり、重たいものを持って移動したり、また長時間座った状態でいたりすることが原因になります。

同じ動作を反復することで、筋肉や靭帯、関節(関節包)などに何度も負荷が加わります。そしてこれらの構造の許容量を超えてしまうと、自覚症状として“腰痛”が現れ始めます。

また『姿勢』も慢性腰痛に大きな影響を及ぼしています。医学的には側弯症や胸椎の過剰後弯曲などがこれに当てはまります。側弯症というのは、脊柱が左右にぶれた状態のことを言います。また胸椎の過剰後弯曲はいわゆる“猫背”のことです。

さらに立位(立った状態)や座位(座った状態)における重心位置が、脊柱の姿勢に影響します。

姿勢の改善(特に脊柱の姿勢改善)を達成するためには、いくつか考慮すべき点があります。つまり姿勢を悪化させている要素を取り除く必要があるわけです。

つまり慢性腰痛の根本的治療は、これらの運動学的・神経学的問題を改善させることになります。以下にその具体的内容を列記します。
  • 筋肉バランスの改善(前後にある筋肉、左右にある筋肉)
  • 固有受容感覚(平衡感覚など)の再教育
  • 関節で発生しているズレ(サブラクゼーション)の改善
  • 筋肉や腱、靭帯、神経などに生じている“癒着”の除去
スポーツ医学&カイロプラクティック研究所では、上記の異常所見を検査により正確に発見し、そしてそれらの異常を正常に戻すことで腰痛の改善を目指します。




腰椎椎間板ヘルニア

椎間板とは背骨と背骨の間に入っている緩衝材です。圧迫力の衝撃吸収を行っています。

ヘルニア(Hernia) というのは“突出”という意味です。つまり椎間板ヘルニアというのは、“椎間板の突出”という意味になります。

この椎間板の突出が腰部で起こった場合、『腰椎椎間板ヘルニア』と呼ばれます。

背骨の間からは神経(脊髄神経)が伸びています。椎間板ヘルニアが発生すると、この神経を圧迫・刺激する可能性があります。腰部にある脊髄神経は末梢部において束になり、それが“坐骨神経”になります。

つまり腰部(腰椎)において椎間板ヘルニアが起こり、さらに脊髄神経を圧迫・刺激することで坐骨神経痛が発生するわけです。

ただし椎間板ヘルニア=坐骨神経痛でありません。椎間板ヘルニアがあっても脊髄神経を刺激していない限り、坐骨神経痛の症状は現れません。

さてそれでは、どのようなメカニズムで椎間板ヘルニアが発生するのでしょうか?

椎間板ヘルニアの原因はさまざまです。最近では遺伝子の関与もあるという研究報告があります。

何らかの機械的刺激(重いものを持ったり、体をひねったりなど)が引き金になることも多いです。このようなケースでは潜在的な問題が影響を及ぼしていると考えられます。

例えば腰椎にサブラクゼーション(骨のズレ)がある場合、この状態では椎間板には不均一な負荷がかかっています。つまり椎間板のある領域には大きな負荷(圧迫力)がかかっているということです。

もしこのようなコンディションのまま、腰部に負担のかかるような運動を行うと当然のように傷害リスクは高くなります。

椎間板ヘルニアを予防するためには、普段からこのような潜在的問題を除去し背骨のコンディションを良好に保つ必要があります。

さてこのようにサブラクゼーションが原因の一部であったとしたら、このサブラクゼーションを除去することが椎間板へかかっている負荷を除去することにも繋がります。

整形外科で行っている“牽引”治療では、このサブラクゼーションは除去されません。

カイロプラクティックによるアジャスメントのみが、サブラクゼーションを除去してくれます。




頚椎椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは腰椎だけでなく、頚椎でも発生します。

頚椎ヘルニアによる弊害には以下の2つがあります。
  1. 脊髄神経の圧迫・刺激
  2. 脊髄の圧迫・刺激
脊髄神経が圧迫・刺激された場合、、上肢への関連痛(手、腕のしびれや感覚麻痺など)が主症状になります。これは片側の上肢に現れます。

慢性化するに従い、上肢の筋力低下が起こります。握力の低下や指先の細かい動作が難しくなったりします。例えば服のボタンの掛け外しが困難に感じたり、箸が扱いにくくなったりなどの症状が現れてきます。

脊髄の圧迫・刺激は、さらに深刻な症状を引き起こします。この場合は手や腕の感覚異常だけでなく、脚のしびれなどの原因にもなります。さらに体幹(わき腹や背中など)にも感覚異常が見られるようになります。

また比較的早い時期に筋力低下が起こり、この症状は四肢(手足)に及びます。以下のような症状がある場合は、要注意です。
  • 手足のこわばり
  • 運動に伴う脱力感
  • 長時間(10分以上)の歩行困難
  • 以前よりも転倒が多くなった
  • 排尿時の痛みや残尿感
頚椎ヘルニアでは椎間板の突出が起こっていますが、それと同時に椎骨のズレ(サブラクゼーション)も発生しています。

サブラクゼーションにより、椎間板へかかる圧(圧迫力)が不均一になり、圧迫力が強く加わっている部分を外に押し出す(ヘルニア)わけです。

カイロプラクティックでは、サブラクゼーションをアジャスメントで改善させることで、椎間板にかかっている負荷を除去し、ヘルニアを改善させます。それに従い上記のような症状の改善を目指します。




脊柱管狭窄症

最近この症状を整形外科で診断されて来院される方が増えています。

脊柱管狭窄症は文字通り、脊柱管が狭窄(狭くなること)してしまう疾患です。その原因はさまざまです。具体的には以下のようなものがあります。
  • 椎間板ヘルニア
  • 靭帯の肥厚(石灰化)
  • 骨棘
  • 腫瘍
  • サブラクゼーション(骨のズレ)
脊柱管には脊髄があり、そのすぐ横には椎間孔という孔が空いており、そこには神経根(脊髄から枝分かれした神経の一部)があります。

脊柱管狭窄症では脊髄や神経根が圧迫または刺激を受け、神経性症状(手足のしびれや脱力感)を呈します。

治療法は症状の程度に応じて決まります。腫瘍などの場合、外科的手法に頼る以外方法がありませんが、それ以外でしたらカイロプラクティック療法が効果を発揮することが多いです。

カイロプラクティック的には、アジャスメントにより局所的な問題(サブラクゼーション)を改善させることと、全体的な問題(悪い姿勢)を改善させていくことが、その治療方針になります。




五十肩(肩関節周囲炎)

英語では“Frozen shoulder”と言われます。つまり『固まってしまった肩』ということです。

日本語では四十肩とか五十肩などと言われますが、これは俗称であって診断名ではありません。正確には『肩関節周囲炎』などと表現したりします。

五十肩の原因は不明ですが、病理的に起こっていることはわかっています。

肩関節(上腕骨と肩甲骨の間にできる関節)には“関節包”と呼ばれる構造があります。関節包は肩関節を360度覆っています。

五十肩ではこの関節包の一部に“過緊張”が生じています。五十肩の自覚症状は、肩の運動に伴う痛みの悪化と可動域制限の二つですが、このように関節包の一部に過緊張が生じることで、その部位が引き伸ばされる方向に腕を動かすと痛みが自覚されるわけです。当然可動域の制限も起こります。

つまり五十肩の根本的治療は、この関節包の過緊張や癒着を改善させることがポイントとなります。




膝痛

膝痛の要因にはさまざまなものがあります。ここではカイロプラクティックの治療院でよく見られるものをご紹介します。
  1. 膝にある骨(膝蓋骨、脛骨、腓骨)のズレ(サブラクゼーション)
  2. 膝周辺にある軟部組織(筋肉や靭帯)の癒着


膝にある骨(膝蓋骨、脛骨、腓骨)のズレ(サブラクゼーション)

膝蓋骨というのは俗に言う“お皿”のことです。膝蓋骨は外側にずれる傾向があります。これは筋バランスの問題などに起因するのですが、このようなコンディションでは膝蓋骨の関節面にかかる負荷が不均一になります。

そのため通常では発生しない“摩擦”が関節面に生じます。これが慢性化すると、いわゆる“変形性膝関節症”と言って、関節面にある関節軟骨が磨り減ってしまう疾患となります。痛みは膝関節の前側に現れることが多く、階段の昇降(特に降りるとき)に痛みを訴えます。

このような疾患では、膝蓋骨に生じているズレを改善させると同時に、膝の運動に伴う運動障害の改善が治療のポイントとなります。

下腿部(膝から足関節)には脛骨と腓骨があります。脛骨は“すね”の骨のことです(弁慶の泣き所)。この骨は大腿骨という大きな骨と関節を形成しています(脛骨大腿関節)。腓骨は脛骨の外側にある骨です。

脛骨、腓骨もしばしばサブラクゼーションを起こします。いずれも膝関節の屈伸運動で痛みやクレピタス(関節から出る音)を発生させます。

治療はこれらの骨の運動障害を改善させることになります。


膝周辺にある軟部組織(筋肉や靭帯)の癒着

太ももには大きな筋肉(大腿四頭筋)があります。この筋肉は非常に力の強い筋肉であるため、膝関節への影響力も大きなものになります。

また膝蓋骨周辺には非常に多くの靭帯(またはそれに準ずる構造)があります。

これらの筋肉、靭帯などの軟部組織には、しばしば“癒着”が発生します。癒着というのは、筋肉と筋肉(筋膜)、筋肉と靭帯の間で発生します。

癒着がある状態で関節を動かすと、軟部組織の間で摩擦が発生します。これは“痛み”として自覚症状に現れます。

治療法は癒着の改善ということになります。

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ゴルフ肘

ゴルフ肘は俗称であって、診断名は内側上顆炎と言います。

肘の内側に痛みを訴えます。右利きのゴルファーでしたら、右肘の内側に痛みが現れることが多く、痛みは鋭く局所的でありボールを打つインパクトの瞬間に発生します。

この疾患は必ずしもゴルファーにのみに現れるものではありません。手首や肘の運動を反復する傾向にある人に、よく見られるものです。

最近ではコンピュータを使う人が増えていますので、キーボードを一日中叩くような作業でも、この疾患に罹ります。

カイロプラクティック療法により、大変効果的に治療できる疾患の一つです。治療は以下の項目の改善を主眼とします。
  • 変性箇所周辺で発生している癒着
  • 肘関節にあるサブラクゼーション(骨のズレ)
  • 頚椎、上部胸椎のサブラクゼーション




テニス肘

テニス肘の診断名は外側上顆炎です。痛みは肘の外側に現れ、運動(特にテニスのバックハンド)によって、鋭い痛みが生じます。

肘外側の痛みは、このように局所的で鋭いことが特徴的です。患者は30歳以上の運動選手であることが多く、テニス以外にもゴルフ、野球なども原因になります。

発生機序(メカニズム)は、同じ動作の反復です。それによって、肘外側に付着している筋肉の腱に変性が起こります。

変性というのは、組織の老化現象のようなものであり、年をとるに従い誰でも多かれ少なかれ生じます。

しかし同じ動作を何度も反復することで、一部の組織に何度も同じ負荷が加わり変性が進行します。変性は腱に発生しています。

加齢とともに体内で変性が起こっている運動選手は、外的刺激(反復動作)によりさらに変性が進行しやすくなります。

カイロプラクティック療法により、大変効果的に治療できる疾患の一つです。治療は以下の項目の改善を主眼とします。
  • 変性箇所周辺で発生している癒着
  • 肘関節にあるサブラクゼーション(骨のズレ)
  • 頚椎、上部胸椎のサブラクゼーション




リトルリーグ肘

リトルリーグ肘は、この名前が示すとおり野球選手に多い疾患です。患者は中学生から高校生が一般的です。

症状は肘(利き腕側)の鋭い痛みで、運動(投球)に伴い発生します。投球モーションでは、ボールを投げる瞬間(ボールが手から離れる手前)で痛みが発生します。

肘の内側または外側に痛みが現れますが、それぞれの痛みの原因は異なります。

投球時のボールを投げる瞬間、肘関節の内側は開き、外側は閉じています(圧迫)。

このとき、肘内側には牽引力が作用し、外側には圧迫力が作用しています。肘内側が牽引されることで、内側上顆と呼ばれる骨の突起部位に反復の負荷(牽引力)が加わり、この部位の損傷が起こります。重症の場合、この骨端(成長骨端)が剥離してしまうこともあります。

肘外側には圧迫力が作用しますが、このとき関節軟骨(橈骨頭と上腕骨遠位端)に損傷が起こります。つまり関節軟骨の一部がはがれ、関節内で浮遊(浮遊軟骨または関節ねずみ)します。

これは離断性骨軟骨炎と呼ばれる症状です。

関節内は滑液という栄養素を含んだ水溶液で満たされていますので、その栄養を吸収し、はがれおちた軟骨の断片が大きくなっていきます。

ある程度の大きさまで成長すると、運動に伴い関節の間でひっかかるような感覚(関節のロック)が現れてきます。これは特に肘を伸ばしていくときに顕著です。




変形性股関節症

女性に比較的多い疾患です。

股関節は大腿骨と寛骨という2つの骨によって構成されています。大腿骨には大腿骨頭という部分があり、これが寛骨側とかみ合っています。

大腿骨頭には“関節軟骨”と呼ばれる部分があり、変形性股関節症では、この関節軟骨の変性が生じています。

関節軟骨の変性というのは、わかりやすく説明しますと、『骨を覆っている軟骨が磨り減ってしまう状態』のことを指します。

これが変形性股関節症で起こっていることになります。

一般的症状は、以下の通りになります。
  • 股関節の痛み(前側であることが多い)
  • 痛みは長時間の歩行や立位での姿勢で悪化
  • 下肢長の左右差(脚の長さが左右で異なる)
  • 股関節の可動域制限(関節の動きがぎこちなく、硬さを感じる)
  • 朝起きたときの関節の硬さ
  • 症状が年々悪化
変形性股関節症はカイロプラクティック療法で効果的に改善可能ですが、症状が進行してしまっている場合は必ずしもそうとは限りません。

治療は、以下の点に考慮して行われます。
  • 股関節の可動域改善
  • 運動に伴う痛みの改善
  • 股関節周辺軟部組織の癒着改善
  • 脊柱全体の姿勢の改善




ジャンパー膝

ジャンパー膝では、お皿(膝蓋骨)のすぐ下側に痛みが自覚されることが多いようです。この部分は靭帯(膝蓋靭帯)の付着部位になっています。

ジャンパー膝の発生メカニズムは、膝に負担のかかる動作の反復です。具体的には、ジャンプして着地するような動作を何度も反復することが原因となります。

スキーのジャンプ競技、バレーボールやバスケットボールなどの選手に比較的多く見られる疾患です。

痛みの自覚される部位(お皿のすぐ下側)は、靭帯(膝蓋靭帯)の付着部位となっています。ジャンパー膝では、この靭帯の炎症が起こっていることもあります(急性期;運動の直後など)。

また慢性化することで、周辺にある軟部組織の繊維化・癒着が発生します。癒着が悪化することで、運動に伴う摩擦が増加するため、症状(この場合痛み)が悪化します。




オスグッド病

これは成長期の中学生や高校生に見られる疾患です。特に運動をしている子供に多い傾向があります。

脛骨粗面と言われる骨の一部があります。これは膝の前側を下にたどっていくと最初に触れる出っ張りです。ここは成長骨端の一つです。

何度もジャンプをしたり(バレーボール、バスケットボールなど)、ダッシュ(短距離走など)を行うことで、この部位に負荷をかけることになります。

このように同じ負荷(牽引力)が何度も繰り返されることで、この部位には炎症反応が起こります。これがオスグッド病と言われるものです。

自覚症状は脛骨粗面の痛みや腫れ、椅子などから立ち上がるときの鋭い痛みなどです。




手根管症候群

昨今、仕事でも家庭でもコンピュータを使う機会が増えています。手根管症候群は、手首や指を過剰に使うことで誘発される疾患です。

手首前面に手根管と言われる部分があります。この手根管にはさまざまな軟部組織が通過しています。それらの軟部組織の一つに神経があります(正中神経)。

正中神経の知覚支配領域は、親指から薬指にかけてであるため、手根管症候群の自覚症状は、この部分の“しびれや痛み、感覚麻痺”となります。

症状は就寝中に悪化(夜間痛)することが多く、手の痛みやしびれで目を覚ますこともあります。

慢性化すると親指の付け根(母指球)の部分にしわが現れてきます。これは筋肉の萎縮を意味しています。

そのため親指に力が入りづらくなり、握力が低下します。




肘部管症候群

肘部管というのは、肘の内側にある構造です。肘部管には尺骨神経が通っています。肘をどこかにぶつけたとき、指先がその瞬間、しびれた経験をした人は少なくないと思います。大抵の場合、これは尺骨神経が刺激されることに起因しています。

肘部管症候群では、肘の内側にある肘部管における尺骨神経への刺激や圧迫が起こっています。

自覚症状は、前腕内側から小指、薬指、中指の知覚異常(しびれや感覚麻痺など)です。慢性化すると指先のこわばりなども現れてきます。

カイロプラクティックによって効果的に治療できる症状の一つです。




ローテーターカフ損傷

ローテーターカフというのは、肩の深部にある筋肉群の総称です。棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の四つの筋肉によって構成されています。

これらの筋肉は、肩関節を安定化させるために大変重要な働きを持っています。つまりローテーターカフの損傷によって、肩関節の安定性が失われ、それによって運動時の不安定感や痛みを引き起こします。

ローテーターカフの中で特に傷めやすいのが棘上筋です。野球の投手、槍投げ選手などに多く見られます。

腕を頭上に持ち上げる動作や、投球モーションで肩に痛みを訴えます。痛みは鋭いことが多く、重度の場合は日常生活のちょっとした動作(髪を洗う、服を着るなど)でも痛みを訴えるようになります。

損傷部位には、多かれ少なかれ出血が伴いますので、線維化が起こります。それに伴い、周辺組織との間で癒着が生じてきます。

治療は線維化と癒着の改善になります。





インピンジメント症候群
インピンジメント(impingement)というのは、日本語で「衝突」を意味します。

肩関節は上腕骨と肩甲骨によって構成されています。上肢(腕)を頭上に挙げていく際、上腕骨と肩甲骨の一部の間隔が狭くなります。

インピンジメント症候群では、この間隔が通常よりも狭くなっています(狭窄)。

つまり腕の挙上に伴い、間接的に骨と骨が衝突(インピンジメント)しています。間接的というのは、衝突する骨と骨の間に筋肉などの軟部組織が挟まっているからです。

このようなコンディションで腕の挙上運動を反復すると、軟部組織の炎症が発生します。これがインピンジメント症候群の発生のメカニズムとなります。

棘上筋、上腕二頭筋長頭腱、肩峰下包などが炎症の好発部位になります。痛みは肩に局所的に現れ、腕の挙上に伴い鋭さが増します。

水泳、野球、バレーボールなどの選手に多く見られる疾患です。治療は関節で発生している運動障害の改善が主要なものとなります。




足関節捻挫

足首は捻挫の好発部位です。多くのアスリートが経験する傷害です。ジャンプ後の着地時に頻発します。足首の外側にある靭帯の一部に損傷が発生します。

痛みは足首の外側から前側(外くるぶしから足の甲にかけて)に現れます。

傷害後に適切な治療を受けなかった場合、関節の不安定性が残ります。そのため、再度受傷してしまう傾向があります。よって受傷後の治療は非常に重要な意味を持ちます。

治療では関節の不安定性を改善させることが、もっとも重要となります。そのためには固有受容器のリハビリテーションを行う必要があります。

固有受容器については、トピックスの『患者の皆様にも是非知っておいていただきたい専門知識:固有受容器の重要性について』を参照してください。




上腕二頭筋長頭腱炎

上腕二頭筋は上腕の前面にある筋肉(力こぶ)です。

上腕二頭筋には2つの筋腹があり、それぞれ短頭、長頭と呼ばれています。上腕二頭筋長頭腱は肩の前側を通っています。

この部分で炎症が起こっている場合、腱炎となります。つまり上腕二頭筋長頭腱炎では、肩の前側に痛みを訴えます。

インピンジメント症候群により、この部位に炎症が併発していることもあります。痛みは鋭い局所痛で、腕の頭上への挙上で痛みは増します。




腸脛靭帯摩擦症候群

腸脛靭帯は大腿部(太もも)の外側から膝の外側に向かって伸びています。

腸脛靭帯摩擦症候群では、膝の外側に痛みを訴えます。膝の外側の痛みとしては、もっとも多い原因と言われています。

マラソンランナーのように長距離を走ることで、膝に過剰な負荷が加わります。膝関節の運動が過剰に繰り返されることが、発生のメカニズムです。




膝窩筋腱炎

膝窩筋は膝の裏側から外側に向かって伸びている筋肉です。

腸脛靭帯摩擦症候群と同様、膝窩筋腱炎も膝関節の過剰な運動が原因となります。

痛みは膝の外側に局所的に現れます。階段を下りるときやくだり坂で痛みが増します。




回内筋症候群

回内筋症候群では、前腕にある円回内筋という筋肉の下を通る正中神経の圧迫が起こっています。

正中神経が圧迫されることで、腕から手、指にかけての痛みやしびれなどの感覚異常が起こります。

指先、手首を繰り返し使うことが原因になります。




アキレス腱炎

アキレス腱炎は、陸上選手やテニス選手、バスケットボール選手、バレーボール選手などに多い疾患です。

ふくらはぎの筋肉を反復して収縮させることが、発症の原因となります。具体的には短距離ダッシュやジャンプなどの瞬発動作の反復や、マラソンなどのように足首の運動を反復することで、症状が誘発されます。

過度に同じ動作を反復することで、アキレス腱は大きな負荷にさらされます。そのため微小外傷が生じ、傷害に伴う細かい出血が起こります。

その後、組織の線維化(かさぶたのようなものです)が生じ、それにともない組織の癒着が起こります。

組織の癒着により、組織間の摩擦が起こるため、痛みが自覚されるようになります。




側弯症

側弯症は背骨がS字状に曲がってしまう疾患です。先天的(構造的)な要因で側弯症になっている場合もありますが、ほとんどのケースは後天的だと言われています。

発症時期は6歳から8歳(小学校低学年)であるため、この時期に脊椎の姿勢検査を受けることをお勧めします。どの疾患も同じですが、早期発見と早期治療が重要です。

側弯症では背骨の左右における筋肉のバランスが不均衡になっています。また背骨にずれ(サブラクゼーション)もあります。そのため側弯症の改善には、これら2つの要素の改善は欠かせません。


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